のり面って何?
山地を削ったり土を盛ったりしてできる斜面のことで自然の地形や地盤の状態に合わせて造成されることがあります。例えば、山や丘などの斜面や、道路や河川の土手などが法面(のりめん)となります。これらの地形は、自然の力や風化、水の浸食などの影響を受けやすく、崩壊や地滑りの危険性があるため、工事が行われることがあります。
のり面工事って何のためにするの?
道路や宅地などの開発や利便性の向上を目的に山地を削ったり、土を盛ったりして斜面が崩れないように保護する工事で主な目的は、次のようなものがあります。
- 地盤の安定化
- 斜面や傾斜地の地盤を安定させるための措置を行います。これにより、地滑りや崩壊のリスクを減少させ、土地や建物の安全性を確保します。
- 土壌の浸食防止
- 斜面や傾斜地の土壌の浸食を防止するための対策を講じます。これにより、地表面の土壌が流失することを防ぎ、土地の保全や環境の保護に寄与します。
- 景観の保全
- 斜面や傾斜地の美観を保つために行われます。適切な傾斜角度や植生管理、護岸工事などを通じて、景観の美しさや自然環境の豊かさを維持します。
法面工事は、地域の地形や土地の特性、使用目的などに応じて計画され、専門的な知識と技術を必要とする重要な工事です。地盤の安定性や環境の保護を考慮しながら、適切な工法や手法を選択して施工されます。
のり面工事の種類ってどんなのがあるの?
のり面工事行う場合、考えなければいけないのが、「どのくらいの保護が妥当なのか?」という事になります。
比較的ソフトな工法から順番に挙げると、
- 植物による保護
- モルタルやコンクリートによる保護
- モルタルやコンクリート + 鉄筋挿入やアンカー工による保護
といった順で、後者の方がより強力に法面を保護します。
植物による保護
植物で保護する工法は、法勾配を緩くして比較的安定させた法面に植物の根を張らせる方法です。
モルタルやコンクリートによる保護
モルタルやコンクリート吹付で保護する場合、基本は岩盤面に施工し、風化を止める事が主な目的です
モルタルやコンクリート + 鉄筋挿入やアンカー工による保護
そしてワッフルのような見た目の法枠工は、簡単に言うと事前の地質調査で「崩壊や滑りの可能性がある法面」に対し施工する工法です
主な工事内容モルタルやコンクリート + 鉄筋挿入やアンカー工による保護
のり面に骨組みとなる鉄筋を格子状に連続して繋げ、メッシュ状の面を造り、それをモルタル等で固め、法枠全体の自重(法枠自体の重さ)と、メッシュ面全体で施工範囲の円弧すべりなどを抑制します。
施工手順簡単なのり枠工の施工手
- 伐採し奇麗になった法面にラス網という保護網をかけます。
- 法枠の配置(完成形)を決めるためラス網の上からPPロープ(ナイロン紐)等で割り付け(法面に絵をかくようなイメージ)、骨組みとなる鉄筋をPPロープに沿って取り付けます。
- モルタル等を吹き付けた時に法枠の梁の形が崩れないよう通称「フレーム」と呼ばれる梁専用の型枠を設置します。
後は吹付作業へと進んでいく流れですが、設計段階で法枠自体の重さのみでは崩壊を止められないのり面には、鉄筋挿入工やアンカー工のように法枠の交点から安定した岩盤まで削孔し、鉄筋鋼材やアンカー材を挿入し、セメントミルクで固め、法枠と岩盤を既定の力で引っ張り安定させる工法も併せて必要になります。
法枠をドライブ中などに見かけた際は、今までと違った目線で見て頂けると嬉しい限りです。